浮世蓋風呂

よ うこそ 蓋のたぶん雑記

新連載

「あぁ~、おなかすいちゃったなぁ。何か手軽に食べられるものでもないかなぁ~」

学校からの帰り道、昼食を忘れて一人トボトボと帰る少女がいた。

彼女の名は 在原 芹香(ありはら せりか)。

町立星野原第3中学校に通うごく普通の女の子だ。

朝寝坊し、学校に遅れ、弁当も忘れ、と散々な一日を、

まるでレンジですぐにできるカレーのコマーシャルのように嘆く。

その泣きっ面にさらに蜂が飛んでくるかのごとく、彼女を更なる不幸が襲う。

 

「きゃっ!」

「おいゴルァ!何人の背中にぶつかってきてんだ!」

「すいません!許してください!なんでもしますから!」

 

疲れからか、不幸にも黒塗りの暴力団員に衝突してしまう。

あぁ、私の人生もこれで終わりか…そう思い目を閉じる芹香の脳裏に、

「待て!!」

 

そんな声が響いた

 

「欲求を満たすことを許されず、それは足かせとなり、苦しみを与え続ける…

人、それを『空腹』という」

 

何処からともなく響く声。その主は…いた。屋根の上に。

「な、何者だ貴様!!!」

 

「わが名は…

 

 

 

 

寒天マン。

 

 

寒天の中にしか、己を見いだせぬ…」

 

その姿は、頭に寒天、顔を覆うマスクには「KANTEN」の文字、

そして…ふんどし一丁の姿であった。

 

「「へ、変態だーーーーーーーーーーーーーー!!!」」

 

あんぐりと口を開ける暴力団員と芹香。

その口めがけおもむろに取り出したのは…

心太を押し出すアレだった。

 

「心太スプラァァァァァッシュ!」

 

にゅるん

 

発射された心太は暴力団員を一瞬にして蜂の巣に変え、

あたりに鮮血と、血に染まった心太が飛び散る。

 

そしてそれは、芹香の口の中に容赦なくねじ込まれるのであった。

 

「腹が減ったら心太!ライチ味も入ってるぜ!

 元を入れたら押し出しポン!澪ちゃんもびっくり!」

 

何が起こっているかわからぬまま、芹香と言う存在は狂気の中に引きずり込まれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミキト「…ふー、なんで僕がこんなことしなくちゃならないんだ。

    だいたいところてんで戦うヒーローとか、そんな鼻毛で戦う漫画じゃあるまいし…」

ヘリア「演出とはいえ…トマトところてんはさすがに美味しくない」